2020/12/27 04:05
こんばんは。
WhiteKings 店主です。
昨今、ヴィンテージウォッチ全般の
値上がりをじわじわ感じています。
ライフスタイルに取り入れたり、
趣味としての認知が進んでいると
割と好意的にとらえています。
と同時に、このまま『手の届く趣味・楽しみ方』
でいられるのか、ふと不安になるときもあります。
当店の取り扱いコンセプトは
『頑張れば、手に届く』時計たちです。
店主が古い時計に出逢えたのも、
頑張れば手に入る。そして現代でも使える。
単なる憧れで終わる代物ではなかったからです。
当店の時計たちは
夢や憧れ、実現への希望を与えてくれる
存在であってほしいと切に願っています。
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レディースのヴィンテージウォッチ
(アンティークウォッチ)は、
今なお『お得』と言われます。
レディースの古い時計は
メンズほど資産性が重視されない傾向にあります。
現行時計のように人気に左右されるのも稀です。
そして需要と供給のバランスから、
メンズウォッチ以上にコストが掛けられた作り
であっても、相対的に『モノが良い』のに
比較的安価で流通しています。
ちなみに現代で同じ作りで製作しようとしたら
とんでもない値段になるでしょう。
私はレディースウォッチを眺めていると
その時計の価値がどうとか意識することなく
純粋に『美しいな』と感じます。
当店がレディースウォッチを展開する理由は
これです。
店主は腕時計の資産価値に振り回され
時計がちっとも楽しくない時期がありました。
レディースウォッチの煌めきとつぶらな表情は
資産ごっこの辟易を忘れさせてくれました。
そのフェイスに映り込んだ自身を見て
『自分は何で時計が好きなのか』
を考え直し、今このお店があります。
と、今回の時計を仕入れた際
この出来事を思い出した次第です。
1970’s OMEGA Geneve Ladies Watch
ミラーダイヤル。
表面に艶を帯びた文字盤をこう呼びます。
しかしこの時計、
当店が今までコラムや商品で触れてきた
ミラーダイヤルとは全く違う逸品です。
一見、艶のある濃いグレー。
古風なローマン数字に
リーフ(葉)の形をした白い針。
かわいらしいデザインです。
角度を変えてじっくりと眺めていると
あっと驚く瞬間を迎えます。
文字盤に映り込む澄明な文字。
濃いグレーだと思っていた色は
周りを反射している色でした。
メンズウォッチにおける”ミラー”が形容だとすれば
この時計は、真に”ミラーダイヤル(鏡文字盤)”です。
緑の前では、緑に。
青空の下では、青空が映り込みます。
OMEGAがどのような経緯で
こんな時計を作ったのかは分かりません。
『ファッションはその人を映す鏡だ』
という言葉がある中で、
時計が本当に鏡とは洒落が効いています。
店主は身に着けている時計で
お相手の人柄まで見抜けたことはありません。
歴史ある時計を身に着けて捕まった人もいれば
パチモノの形見の時計を身に着けたある人は
皆から尊敬される人柄でした。
ただその時計が
どういう『使われ方』をしているかは
私も何となく分かります。
お化粧直しには使えませんが、
悩んだり立ち止まったりしたとき、
自らを見つめ直す鏡として
この時計が機能してくれるかも...しれません。
WhiteKings 店主
