2026/10/05 17:14
White Kings 店主です。
モデル再論の小休憩です。
今回は時計単体のお話から離れ、
当店がなぜ『人とモノを繋ぐ』
価値観を大切にしているのか?
少しだけお話しします。

当店は古いものを単に美化することを好みません。
特に当店が愛する『経年変化』という言葉は、
劣化や傷みを都合よく肯定する言葉ではない。
と考えています。
過去コラム
【矜持】ほか
例えば当店は時計の外装に耐久上の問題が
あるものは販売から除外しています。
内部のムーブメントに問題がある場合は
今後の予防措置も含めて徹底的に手を入れます。
ケースやブレスレットといった
耐久性も入荷時点でかなり意識した
検品を行っています。


過去コラム
人間で例えるなら、
『外見的な美容維持や老いを感じさせる変化』
と、
『身体機能などの健康的な問題』
は切り分けて考えるべきというのと、
全く同じ考えです。
怪我や病気が進行している状況なのに
『美しい/格好良いから販売する』
というのは、
解決しなければいけない問題から目を背け、
モノを消費するだけだと感じます。
それは当店にとっては欺瞞でしかありません。
次の時間を生きることを妨げる要因は、
できるだけ取り除きたいと考えます。

同時に、
当店はその時計が人と生きてきた
痕跡をとても大切にしています。
そのシミ、小さな小傷、前の所有者の癖。
誰かがこの時計と共に生き、
その時計が誰かの人生を受け入れた姿は
小綺麗な時計とは違う美しさを感じます。

これは『人』に対する当店の価値観とも
密接に関連しています。
その人の表情だったり、皺やシミ一つ、
その人の体つきだったり、笑い方、
しぐさだったり。
多くの人生を経験して今に至った姿を、
私たちはその人の人生そのものを
リスペクトしています。
外見の表面的な情報を見ているようで、
その内面と向き合うことが当店は好きです。

ゆえに当店は、
外見と内面が伴っていないもの、
世間の価値基準が固定化されたものを
意図的にラインナップから外しています。
当店はヴィンテージウォッチを
完成された過去だとは考えていません。
これからも生き続け、
人の手元で変化し続けるものだと考えています。
ゆえに今もなお人と共に生き続ける存在として
Aliveを標語としています。

病気やケガは、治す。
重ねた歳月と生きた痕跡は、遺(のこ)す。
誰かと年を重ねた存在。
自分を見守ってくれる存在。
自分を見守ってくれた存在。
『いつまでも元気でいてね』
その感情が当店ラインナップの根幹となります。
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腕時計は誰かの腕元で時を刻むために生まれ、
古い時計たちはそのように生き残ってきました。
どこまで行っても人と過ごさなければ成立しない。
それが時計の一生です。

先のとおり、
私たちは出来ることならその時計の一生を、
人間の腕元で全うさせてあげたいと考えています。
それはこれからを生きる人のために、
過去から生き残ってきた時計が
その人の人生を添い遂げることと
同義だと考えています。
ゆえに私たちはその人の体型や雰囲気、
時計とのバランス、ファッションなどと
関連付けて、かなり丁寧に語っています。

ファッションのための時計。
モノとしてカッコよさのための時計。
知的好奇心や収集物としての時計。
勿論それだけでも良いとは思いますが、
せっかくならもう一つ先の目線、
人の人生、誰かの人生について私たちは考え、
時計を取り扱っていけたらと心から思います。

創業当時からヴィンテージ時計を
取り巻く環境は大きく変わりました。
販売店も非常に多くなり、
どの店で買って良いかも
益々わかりにくくなったと思います。
人の心も同じく、
生きる中で絶えず変化していきます。
自分がどこに向かっているのか
分からなくなる瞬間があります。
当店は昔からそれなりに
尖ったことをやっていますが、
何かを探している方にとって、
何か迷ったときに、
当店のスタイルが一つの
標識として機能すれば嬉しいです。
少しでも
『こんな感じの考えが合うな』と思ったら、
気軽にお店に遊びに来てください。
当店なりに皆さんの座標として
機能するよう世の中の波に抗いながら、
その選択を応援します。
White Kings 店主

