12/30-1/8年末年始休業のお知らせ

2025/06/04 00:14

White Kingsです。


大変お待たせいたしました。

先日各媒体で告知しました
dito × White Kingsによる
オリジナルシューズのサンプルが、
ついに完成いたしました。

 

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   -時を進め、歩みを進める-

   dito × White Kings
    Oxford shoes
     『ORLE』

   "Special edition.#137"

   ①Leather: Spiral dance
     Carbon Black
     ¥198,000-(tax in)

   ②Leather: Utah calf
       Brown
     ¥187,000-(tax in)

   ③Leather: secret edition
     ¥187,000-(tax in)

   ※採寸・受注方式
     (6/14 受注開始)
    納期: 約4ヶ月

      Option.
 Middle Order : 各基本料金 + ¥55,000-(tax in)
※ベース木型に修正を加えお客様の足に近づけます

 Full Order : 各基本料金+ ¥143,000-(tax in)
※お客様に合わせ木型を一からお作りします

     【製品仕様】
 型式: 内羽根ストレートチップ
   ソール仕様: レザー
  製法: ハンドソーンウェルテッド

イベント終了後は【通常仕様】を
dito】及び当店店頭にて注文可能です。
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一貫してライフスタイルに根差した
腕時計の提案を続ける当店が、
"その人と共に人生を歩んでほしい"
という願いのもと、
腕時計の対となりうるドレスシューズを、
ditoの増渕氏/石井氏に依頼し、共同製作。

当店が長年取り扱うドレススポーツモデル:
Seamaster(シーマスター)の
ヴィンテージモデルに着想を得て製作した
本格紳士靴、それが【ORLE(オール)】となります。



製作テーマの軸はやはり
『ヴィンテージウォッチ × ドレスシューズ』

ドレスとスポーツの融合を軸に、
着用者に寄り添い続ける存在であってほしい
というヴィンテージSeamasterの
スピリットを踏襲しました。

今回コラボにあたり最も大切にしたのは
”構造を引き立てる『沈黙』”。

ヴィンテージウォッチとのコラボが
安易なノベルティ的発想や
意匠の模倣とならないよう、
ditoと何度も話し合いを重ね、
当時の時代感や構造・込められた哲学、
時計の持つ空気感を、
メタファー(暗喩)として抽出することに
尽力しました。

ヴィンテージSeamasterに関する
分厚い専門書籍を何冊もお読み頂き、
時間をかけデザインに落とし込んで頂いた
お二方には当店も頭が下がる思いです。


『つり込み』作業を行う石井氏


ORLEは数あるドレスシューズの中でも
格式高い『内羽根ストレートチップ』、
通称: オックスフォードシューズと
呼ばれるスタイルを採用しています。


初代SeamasterはOMEGAが軍用時計で培った
タフな構造を踏襲したブランディングで
知られます。
しかし【ORLE】ではミリタリーを
匂わす意匠は敢えて少なめにしています。

これはSeamaterの存在が、
世界大戦という暗い時代を抜け出し
新たな時代の幕開けの象徴として
デビューした”ドレススポーツ”であること。
そして当初の”軍用技術の民生化”
というマーケティングとは裏腹に、
その精確さや丈夫さは来たる平和で
豊かな時代の方角を向いていた。
と言えるためです。

実際、Semasterのファーストモデルも、
構造以外の部分ではドレススタイルを踏襲し、
軍用時計の名残はさほど感じさません。


フィッシングなど屋外シーンでの使用が前面に打ち出された当時の広告


元々は貴族や上流階級の持ち物であった
ドレスウォッチを時代の機微に合わせ、
手に届く憧れに昇華したキャラクター。
そのSeamasterの姿勢を、
純然たるドレスシューズの出自を持っていた
オックスフォードシューズで表現する
理由に足る、と当店は感じています。

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ディティールの説明に移ります。

ORLEのシルエットは独特です。
側面から見るとアルファベットのSの字を
横倒しにしたようなうねりが特徴です。


これは歩行の補助具であるという靴本来の機能、
そして人間本来の足の形状に沿わせた
作り込みであることに由来します。

ditoが扱うヴィンテージの木型は、
昔ながらの手縫いでしか再現できない
複雑な構造です。
人の足の線を忠実にトレースすることで、
足に吸い付き、足の一部となるような
着用感を持ち併せます。
これが自然で有機的なシルエットに繋がっています。


今回はデザインの一部を監修したデザイナー:
笹岡氏の発案により、
『キューバン・ヒール』と呼ばれる、
前方に傾斜するハイヒール・スタイルを採用。


骨盤が起き上がることで重心が安定し、
姿勢が美しくなる設計としました。

靴が歩行を司る重要なギアであり、
ディティールと機能美が一致する
ポイントを押さえてもらいました。

ウェスタンシューズ(アメリカ)で
見れられるディティールですが、
結果的にデザイン面でアメリカの
影響を強く受けているSeamasterとの
共通点が生まれることになりました。


靴紐を通す穴の数=アイレットは、
クラシックな”6アイレット”を採用。


これは1940~1950年代頃、
履き心地やアーチ(土踏まず)の
サポートの重要性が高まった
時代に活発となった仕様です。
※現代では”5”アイレットが主流

穴数が多いことで甲をホールドする
”羽根”を高い位置まで引き上げ、
しっかりとホールドする可能です。
また、6アイレットによって羽根の位置も
高くなっています。
この急激にせり上がるシルエットが、
【ORLE】のキャラクターを引き立てる
アイコンにもなっています。


ミシンステッチを並走させて
二重に縫う『ダブルステッチ』
が全面に施されています。

ダブルステッチ同士の距離には
適度な幅を持たせ、
ドレスの中にある堅牢さ、
=Semasterのベゼルデザインとの
相性を考慮しました。



ダブルステッチは100年以上前の
Crockett & Jonesにも見られる意匠ですが、
片方のステッチが切れてしまっても
もう一方のステッチが残るという
耐久向上のメリットを持ち合わせています。


踏まず部分(アーチ)のサイドシルエット。
ここは鋭く『尖る矢筈(ヤハズ)仕上げ』
のコバ(縁)としました。


その名の通り矢の先をモチーフとした仕上げです。
長年、家紋をモチーフにした日本製靴特有の
ディティールと言われてきましたが、
ヴィンテージシューズを研究している
前述の笹岡氏のコレクションから、
1940年代の英国靴で既に採用されていた
形跡があることが分かりました。

1940年代、イギリス、矢、軍用時計のルーツ。
これ以上は敢えて語りませんが、
時計とミリタリーの関係を知る方は思わず
ニヤリとしてしまうポイントではないでしょうか。



オックスフォードシューズが持つ
普遍のドレス要素。
1950年前後のワークドレススタイルに
求められたタフな機能性。

プラス、イギリスとアメリカの
影響をもとに誕生したスイス時計:
Seamasterが持つ多国籍要素が、
結果としてプロダクトの成熟を促した
という系譜と紐づけた形となります。


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ORLE(オール)はフランス語で
『額縁』や『縁飾り』『周囲を囲む装飾』
という意味を持つ言葉です。

日常会話ではあまり使われない言葉ですが
紋章学において使われる用語で、
盾の周囲を細く囲む装飾帯を指します。
同時に”中心を引き立てるための枠"
という美学要素を含んだ言葉でもあります。


今回はそのステッチワークや素材、
シルエットといった連続が織り成す
雰囲気そのものをその『縁取り』として
捉えました。

時計も靴も、人という”中心”を引き立てる
縁取りとして存在していると、
ditoと当店は考えています。

私たちはその縁取りそのものの美しさではなく、
その中心をどのように縁取ったかで、
プロダクトの美しさが決まると考えています。

ただそこに在ることで、
中心に意味を与えること。
【ORLE】は、それを目指しました。


今回のイベント終了後、
ditoのレギュラーラインナップとしても
迎え入れられることも決定した【ORLE】。

今回デビューを記念して当店でのみ
別注可能な特別仕様 " #137 "を
サブネームに冠して登場します。

物理学者たちにとって
マジックナンバーと呼ばれる
微細構造定数 α =137が、
実は【ORLE】の裏テーマにもなっています。

さまざまな物理法則や定数に
突如として、何度も現れる謎の数字:137。
店主は理系の出身であるという事は
過去何度かお話してきましたが、
このような見えざる謎の定義が、
私たちが住む世界を縁どっている。
という事実を、非常に面白く感じています。


0.1mmに満たない、コバの角度。
光が当たった瞬間にしか見えないステッチの陰影。
構造の中に隠された、職人の数値的感覚。
偶然とも言える要素が重なって構築された必然。
私たちは1/137の哲学をこの靴に宿らせたく腐心しました。



ditoの持つ妥協ないスピリットを
この数字とコラボレーションに込めて、
今回皆様にお届けいたします。
※特別仕様詳細は【Instagram】をご覧ください。

受注は6月14日(土)12:00から。
当日はどなたでも受注頂けますが、
足の計測など含めお1人様1時間ほど頂戴します。
採寸に関してご予約頂くとスムーズに
ご案内できるかと思います。

ご来店お待ちしております。

White Kings