2021/04/04 02:28
こんばんは。
WhiteKings店主です。
最近、コロナ禍もありワンオペが増え
コラムの更新も久々になってしまいました。
今年は東京店に立つことが多く、
東京のスクラップ＆ビルドの速さに驚くばかりです。
このところ、ライトな小話については
Instagramの投稿で行っています。
ちょっとした時計の豆知識や、
時計1本1本のヒストリーついても述べています。
宜しければフォロー＆ご覧頂ければ幸いです。
実は先日、東京でタイアップしている
を私が担当いたしました。
名古屋という地方都市の古着屋から出発したArtigiano ciaoさん。
今では古着という垣根を越えハンドメイドで形作られたヴィンテージのスーツや、イタリアの伝説の仕立て職人のフルオーダーの遺作など、ここでしか手に入れることのできない"クラシコウェア"に特化し運営されています。
オーナーの『クラシックウェア（クラシコウェア）が持つ文化を、若い世代の力で多くの方に届けてほしい』との思いを汲み、当店がSNSや商品撮影などのお手伝いをしています。
当店とArtigiano ciaoさんは直接の資本関係はありませんが、本当に価値あるものを、”中古”という旧来の表面的な概念に捉われることなく多くの方に届けたいという考えのもと、東京にて合同で商品を扱っています。
Artigiano ciao さんはオーナーがご年配なこともあり、ちょっと前時代的な公式サイトや一徹な表現など、当店との世代的なギャップ(！)に驚くかもしれません。
しかしその根幹となる価値観は当店と同じです。
Artigiano ciaoさんの取り扱うクラシコウェア/シューズは、世代を超えて”受け継ぐ”ことを前提に作られた洋服。それらを徹底して取り揃えています。
持ち主以外の誰かの手に渡ることが前提となっている、それがクラシコウェア/シューズです。
単なる贅沢品ではありません。
受け継ぐことを前提に丁寧に形づくられた洋服を纏う。
それを身に着けることで、着用者の背中を押してくれたり、気分を上げてくれたり、ときに洋服の作り手に思いを馳せたり。
オーナーの思い描く『クラシコ』とは、
共に人生を歩むパートナーそのものです。
このあたりは、
当店が扱うヴィンテージウォッチと全く同じ価値観です。
『これら人生の素晴らしいパートナーになり得る品々を、単なる古着で終わらせてはいけない』という考え・情熱に感銘を受け、東京でのタイアップを続けています。
今後とも両店をどうぞよろしくお願い致します。
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今日は、当店が『中古』という表現を使わない理由について改めてお伝えします。
たまに、当店やArtigiano ciaoさんの商品をご覧になり『中古ですか？』『人が使ったものですか？』『中古だから安いのですか？』『中古でも高いんですね』とご質問頂く機会が御座います。
その都度『ヴィンテージ』『（洋服の）クラシコ』という価値観について丁寧にお伝えするようにしています。
以前よりコラムで繰り返し述べてきた通り、受け継ぎ・受け継がれ、この場に存在することが奇跡と呼べる存在を当店は敬意を込めて『ヴィンテージ』と呼んできました。
かつて『古くて使えない』『もう価値がない』と切って捨てられてきたモノ、人知れず滅んでいくはずだったモノに目を向け、新たな命や価値を吹き込み、次の所有者に感動を届けるのが我々の仕事だと考えています。
Artigiano-Tokyoさんのコラムでも書いた通り、日本は風情ある語彙がたくさんあるのに、過去から現代に形を残し受け継がれてきた『モノ』自体を表す言葉が少ない気がします。
人の手に渡ったもの＝価値が目減りする。そのような価値観が我々に刷り込まれているからでしょうか。
古物。骨董。中古。
ユーズド。リユース。リサイクル。間違いではないがどれもしっくりとこない。
どんなに素晴らしい世界にたった1つの存在であっても、『所詮は中古』『安くて当たり前』で片づけてしまうと何だか寂しいものがあります。
当店は『受け継ぐ』という行為そのものにも
価値があると感じています。
そういう意味では
"受け継ぐための橋渡しをする当店にも同じく価値がないといけない" と思っています。
その時計を選んだ感性だったり、
それぞれの時計への適切な表現方法だったり、
OMEGAのオリジナル性への徹底だったり、
プロダクトへの徹底した掘り下げだったり、
時計の個性を伝える撮り方だったり、
アフターフォローのあり方だったり。
我々がお店を始める前から一貫していた部分も
販売する時計の資産性だけではない『価値』の根拠です。
当店がただの情報コンテンツであれば
きっと発信した情報をもとに
もっと安い店舗でお買い物をされるはずです。
価格ありきでお買い求め頂くうちは、
当店も(Artigiano ciaoさんも)まだまだです。
そんな中で、『当店だから買った』
と言ってくださるお客様に出逢えると、
”受け継がれていく”歴史の中に
当店の名前が遺ったような気がして
とても嬉しくなります。
同時に
今以上の感動や満足をお届けしなければならない
と身が引き締まる思いです。
当店が当店であるためにも、
『中古』から一歩進み、ヴィンテージウォッチを
受け継ぐ橋渡しをして行けたら幸いです。
White Kings
