重要なお知らせエリアを非表示

2022/12/07 16:38

こんばんは。

White Kings 店主です。

経時の美学展もいよいよ来週に迫りました。



Instagramの件ではフォロワーの皆様に
大変ご迷惑をおかけしております。

【2022.12.28追記】
無事凍結解除されました。
ご協力頂きました皆様、本当にありがとうございました。

今回のInstagramの停止騒動ですが
Instagram側によってなんと
『偽造品の販売/宣伝』
と誤判定されたのが原因のようです。

Instagramのポリシー違反の判定は
AIによって管理されている?らしいですが、
よりにもよってオリジナル性を謳う当店とは。笑
悪いジョークとしか言いようがありません。

※それを横目にコピー商品の広告が流れていく
 のはなかなかシュールです。

幸い、業界内外を含め多くの方々に
当店アカウントの復帰に向け支援頂いており
本当にありがたく思います。

※改めまして、
当店は古物営業法及び日本国内の法律に基づき、
ヴィンテージウォッチを取り扱う専門店です。
後述の通り、OMEGAを始めとする取扱商品は
オリジナル性を重視した販売形態をとっており、
偽造品は部品単位での使用を含め断固として
認めておりません。

4年間、時計やお客様と向き合い、
夜な夜な書いたコンテンツを見て
フォローしてくださった数千人の
フォロワーさんは当店の財産です。
単なるプラットフォーム以上の
思い入れがあります。

その積み重ねた繋がりや信用が一夜で消え
さすがに当店としてもダメージがあり、
夢であってほしいと思うこともあります。

何とか復活させられるよう長期戦前提で
挑みたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

---------------------------------------

今回の問題に絡めて、
以前のコラムの続きです。

真正性。
『当時この時計は本当にこのような姿だったのか?』
を独自に研究しているのが当店。
ということをお伝えしました。

今回はOMEGA社による公認資料を
利用した当店の取り組みについて
お話したいと思います。


最近OMEGA社が
真正証明書という新たなサービスを
開始したことが話題となりました。

OMEGAがヴィンテージウォッチの
真正性を証明してくれる画期的なサービスです。
※800CHF=120,000円弱の費用が発生

ただ、こちらのサービスは今のところ
日本国内では展開されていないようです。
今後拡充される可能性はありますが、
海外の窓口に足を運ぶしか手がありません。

これだけの手間と費用が掛かるとなると
当面はレアリティの高い特別な時計にのみ
運用される流れとなりそうです。


日本で受けられる類似したサービスとしては、
アーカイブ抄本』の発行という手段が取られます。



・当店が過去申請したアーカイブ抄本の写し


このアーカイブ抄本では、
『この時計がどういうモデルで、
 いつどこで販売されたか?』
をOMEGAから提供される書面で
知ることができます。

画像による簡易的なチェックが入りますが、
今現在この時計が全て純正品で構成されて
いるかまでは特定できません。

しかしその個体がかつてOMEGA社から
販売されたものであることを証明する根拠として
アーカイブ抄本は一定の効力を発揮します。
※画像添付が義務付けられたことにより
社外外装品は却下されるようになったようです。

場合によっては、販売国や販売時期から
純正部品の整合性を推察することも可能で
真正性追求の重要な手掛かりとなります。

当店は(こと高額商品に関しては)積極的に
アーカイブ抄本を取得するようにしています。
当店はその時計が重ねた歴史を尊重しており、
そしてお客様も自身の時計のヒストリーや
足跡を辿りたいと思う方が多いためです。


・Seamaster Chronometer
 日本の高度経済成長期を共にしたヒットモデル。


何より当店が扱う時計の真正性や
信頼度を客観的に高めるためにも、
OMEGA社公認のアーカイブ抄本の
定期的な取得を心がけています。


・貴重な初期型Constellation。
 当時の北米の商標の関係でペットネーム未表記。


アーカイブ抄本を申請する上でシビアなのは
アーカイブ抄本取得の可否に関わらず
『必ず費用が発生する』という点です。

120CHF=20,000円弱の費用は決して
安いものではなく、
データ照会の末に発行が却下された場合も
掛けた手間とお金は戻ってきません。

当店はOMEGAの真贋に自信がありますが、
何度経験しても仕入れの確実性を試される
緊張の瞬間でもあります。


・Constellation 1st と deluxe 何れも成約品


幸い、当店が申請したアーカイブ抄本は
一度も却下されたことはないものの、
仕入れに対する真剣度や緊張感を
維持するためにもお客様の要望がなくとも
申請を続けています。



また、ヴィンテージモデルに付属する
当時の販売証明書=ギャランティも
個体の素性を明らかにする重要な要素です。
しかしROLEX等と比較すると、
これはあまり重要視されていません。


・Seamaster のギャランティ
 ファーストオーナーより入手。


これは1960年代以降は手書きによる
ギャランティ発行に移行したため、
白紙のギャランティを使って後書きで
偽造されたモノが後を絶たないためです。

例えギャランティが付いていても、
慎重に照合を重ねる必要があります。



・1950’sのConstellationのギャランティ。
 打刻による記入と販売店の豪華な捺印が入るため
 こちらの偽造書類は少ない。


結局OMEGAによる公的資料や
それ以外の資料や状況証拠、
当時の流通経路などを事細かに
調べることで時計の真正性を
高めていく形になります。

それを販売店がどこまでやるかは
そのお店のスタンスによりけりです。
OMEGAの時計は様々な理由で
アーカイブ申請できない個体も多く、
正規品であってもOMEGA社に
データがないものもあるからです。

他ブランドのように高額な資産性
を持ち合わせない(ことも多い)ため、
OMEGAのアーカイブ抄本にどこまで
価値を見出せるかは、
価値観や目的によってまちまちです。

当店の場合はグレーゾーンの排除、
そしてその時計の歴史を紐解くための材料、
何より販売店としての緊張感と信用維持を
目的としています。

偽造品のみならず、グレーゾーンは許さない。
その立場を常日ごろから明確にすることが、
当店がお客様に対して提示できる
誠意なのかなと考えています。


※ちなみに当店は偽造防止や第三者による抄本取得、
 所有者情報の特定を防ぐため全ての個体の
 シリアルナンバーに画像処理を施しています。




--------------------------------------------------

今回の『経時の美学展』では、
当店は”クロノメーター”をテーマに
展開いたします。

今回のコラムではいくつかのクロノメーター機の
画像を参照しましたが、
これまでに紹介出来ていないオリジナル個体を
いくつか展開してまいります。

皆様のご来場お待ちしております。

White King