2020/09/10 05:03
こんばんは、WhiteKings 店主です。
昨年ごろより、
現行時計はサイズダウジング
=小型化が進んでいると言われています。
近年の時計サイズの移り変わりは、
主に流行によるものです。
また、搭載する機械や・防水性・用途
によっても大きくサイズが変わります。
紳士時計は薄くて小さめ、
ダイバーズウォッチやクロノグラフは大きい
といった具合にです。
これは防水性や付帯する機能によって
機械の大きさ、ケースの大きさが変わるためです。
また、メンズにおけるドレスシーンでは、
華美でこれ見よがしな装いを避ける傾向にあります。
袖元に収まるサイズが、本来はマストでした。
(今の流行を見ると言い切れない部分もあります)
時代の変化とともに
何度も何度も流行を重ねることで
服や時計のサイズ感は
許容範囲が広くなってきたと感じます。
単に小さいから変、大きいからダメといった
画一的な判断は、もはや古いといって
良いのではないでしょうか。
コラムでまだご紹介していない個体がありました。
1970’s OMEGA Seamaster120 Boys Green 31mm


37mm径のサイズダウンモデル。
通称: ボーイズサイズ。
前回コラムでご紹介した、
”キャラピラブレス”の
ボーイズ専用サイズを搭載した1本です。
落ち着いたアースカラー。

フルサイズの文字盤を濃縮したような、
濃厚な密度。

手首にぴったりと吸い付くこのブレスレット。

緑色と言えば、
グリサブ(グリーンサブマリーナ)
のビビットカラーとは全く異なる
色彩である点、付け加えておきます。
※店主は一時期グリサブ(116610LV)
を所有していました。
このカラーリングと顔に憧れ、
いざ目にして腕に嵌めた時、大抵の方は動揺します。
そのあまりに小さなサイジングにです。

40mmや42mmあるいはそれ以上の時計に
慣れ親しんできた現代人にとって、
『31mm』はかなり刺激が強い
というべきでしょうか。
大抵の方は安パイをとるために
『じゃあ37mmで』となり、
しかし37mm(フルサイズ)にこのカラーはなく、
イメージも随分と変わるため困り果ててしまいます。
31mmはおかしなサイジングなのか?
全くそんなことはありません。
紳士時計の歴史は30mm未満から
スタートしています。
この30mm前半というサイズが
紳士時計のスタンダードであった時代は
非常に長いのです。

ミドー。30mmに満たない時計です。
このぐっと凝縮された濃密さは、
30mm前半の時計でしか味わえない特別なモノです。
16.5㎝という、日本人の平均的な
腕周りを持つ中村の着用画像。


遠目にみれば
こんなにもこなれた着用感です。
『小さくて恥ずかしいのではないか』
という悩みが、
実にばかばかしく思えてきます。
東京店にお越しになる際は
是非、鏡の前でじっくりとご覧になって下さい。
主観で見るより、客観視点で見た方が
時計のトータルバランスはよくわかります。
このような時計を
何食わぬ顔でさらりと身に着ける。
これ程、格好良い着けこなしはありません。

固定概念を少しずつ変えていけば
時計の選択肢は無限大と思います。
今回は
ボーイズサイズは
”有り中の、アリ”
であることをご紹介しました。
【商品詳細】
WhiteKings 店主