重要なお知らせエリアを非表示

2019/03/31 01:42

WhiteKings 店主です。


今回は特別枠です。

1961 OMEGA Seamaster MEISTER Cal.552 Automatic





どこかスポーツウォッチ然とした佇まい。
この時計のディティールから
特定のモデルを想像する方も多いかもしれません。
あのRancheroです。

1957年にデビューし僅か3年で生産終了した
OMEGA Ranchero。

直線的でケースとの塊感に溢れた力強く
無骨なラグは1960年の販売終了をもって
姿を消したかに思えましたが、
1960年にデビューしたこのモデルにバトンタッチ
するかのごとく、意匠が引き継がれています。




そして奇しくも
Rancheroと同じ運命を辿るかのように
このモデルも3年足らずで廃盤となりました。

60年代の保守的な時代において
こういった前衛的なラグは受け入れられなかった
のかもしれません。

しかし後になって考えれば、
1960年代後半にかけて日本のキングセイコーで
採用された直線カットは、
その10年近く前にOMEGAが生み出していた
ということになります。
OMEGAの先見の明に驚かされます。


このモデルの特徴は何といっても
33.5mmという、どちらかというと50’s寄りなサイズ感に
似つかわしく無いほど立派で迫力ある極太ラグ。




ランチェロケースのシルエットを踏襲しつつ
ラグは2面に渡り面取りを行うなど
ドレスウォッチとしての側面が強調されています。





サイズ感以上の迫力と塊感。
42.5mmという縦幅は
同年代の35mm径の時計とほぼ同等かそれ以上の
長さを持ちます。

この横縦比のバランスは
OEMGAのドレスウォッチの中でも異例です。





60年代前半を象徴する豪華な立体レリーフ。




そしてこの個体を更に特別たらしめているのが
スイスのジュエラー:MEISTER別注仕様である点。

他のブランドを冠する仕様は
日本では”ダブルネーム”という呼称で知られています。


誇らしげなMEISTERの文字と、
別注ならではの縦ヘアライン。



またよく見ると
単なるバーインデックスではなく
緩やかにシェイプされたクサビ形であること、
そして夜光塗料はインデックスに彫られた溝に
『埋め込まれている』ことがわかります。

サンレイ・バーストダイヤルとは異なる、
鈍い金属光沢のようなソリッドな輝きが
非情に渋い。






MEISTERはこのようなニッチなモデルを
別注にかける傾向にあります。
造形に対して強い拘りを持つMEISTERらしい
チョイスです。

文字盤のデザインを損なわないノンデイト。
自動巻きの傑作機 Cal.552を搭載し、
信頼性は抜群です。






この個体はOMEGAのスポーツモデルの象徴、
キャタピラブレスを装備。




時計本体より後年のブレスになるものの、
フラッシュフィットが全くの調整・加工なしに
ぴったりと適合してしまうあたり、
時計本体の設計思想がスポーツモデルの
流用であることを物語っています。




既にOH済みで、即納可能な1本。

精度は現状日差10秒以内と完璧な状態です。


特別な1本を今回もお届けします。

WhiteKings 店主