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2024/05/24 03:12

White Kingsです。

この度、兼ねてより温めておりました
コラボレーション企画がついに実現いたします。


”ヴィンテージの脱構築”を掲げる
クラシックシャツブランド
『SHAMS of Tokyo』全面協力のもと、
当店White Kingsとのコラボシャツが
完成いたしました。



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Type: Dress shirt

Model:『LUMI』
Fabric: Cotton 100%
Button: Shell (Mother of Pearl)
Collar: écru(White)
Size: M / L
Price: ¥46,900-(tax in)

【追記】
※2024.05.26 イベントにて完売いたしました
 今回の生地での再販は御座いません

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コラボ第一弾のモデル 『LUMI(ルミ)』。

製作テーマは
『ヴィンテージウォッチ × シャツ』
『寄り添い続ける、ドレスシャツ』

ライフスタイルに根差した時計の提案を続ける当店が
時計と共に人生を歩んでいってほしいという願いの元
SHAMSと共同製作したのがこの『LUMI』となります。



ヴィンテージスタイルでも、そうでなくても、
あらゆるシーンで活躍するバランス感と耐久性。
当店が愛するヴィンテージOMEGAのキャラクターと
重ね合わせながら製作をお願いしました。

”ヴィンテージウォッチと合わせるための洋服作り”
は他を見ても前例のない試みであり、
非常に刺激的なものでした。
『単なるヴィンテージの模倣やオマージュとならない』
世界観の構築が今回の鍵でもありました。


意識したのは『デザインと必然の融合』。
例えば、腕時計を着ける側の袖口を広くとったり、
時計に合わせた機能を盛り込んだりといった手法は
このシャツには敢えて採用していません。

ヴィンテージウォッチとの相性において、
このような手段は安直な表現に留まる可能性が高く、
何より”シャツ”として美しくならない。というのが
SHAMSとWhite Kingsの共通意見でした。



この『LUMI』には、忘れ去られた意匠の復活や、
現在に渡り生産される Living vintage
=生きたヴィンテージ、
後世にVintageとなり得ることを目指したモノづくりなど
過去と現在、未来を紡ぐ思いが込められています。


ベースはSHAMS最新の型紙である
『A CASE OF LUCK』を採用。
ヴィンテージウェアのディテールや機能性を
30年近く研究・模索してきた代表 笹岡氏の
世界観と哲学に基づいて設計されています。

『A CASE OF LUCK』は”LUCK(幸運)”、
そして”カーテンコール”がモチーフとなっており、
時代の幕引きと新たな幕開け・そして着用者にもたらす
運を司る意匠が散りばめられているのが特徴です。



その型紙を当店とのオリジナル&コラボレーション
専用としてリファインしたが今回の『LUMI』です。



細かなディティールの解説に入ります。

LUMIは一つのシャツを1人の職人が縫い上げる
『丸縫い』と呼ばれる仕立て方を採用しています。
工業化された現代のシャツ作りではほぼ見られない
昔ながらの手法です。


フロントスタイル。


全体を通しクラシックなシルエットを踏襲しており、
ウェストにテーパーは入れておりません。
それと同時にエレガントな要素を感じられるような
カットを意識しています。

裾丈は長すぎず短すぎずの絶妙な長さといったところ。
裾を出しても、タックインしても格好良いと思える
シルエットに仕上げています。





台襟は気持ち高めに取り、カラーの開きは程よくワイド。



襟裏にはカラースティフナー(カラーステイ)用の
ポケットを特別採用しています。



タイを締めた状態ではジャケットスタイルに合う
カッチリとした襟元になるよう仕立てています。
※当日はSHAMSオリジナルカラースティフナー
 (スターリングシルバー製)の販売も行います。



第一ボタンを外すと一転して
上品なワークドレスのような印象に。




開襟シャツのような優雅さが出るよう、
フロントボタンの配置を細かく調整しています。



襟元を開けても閉めても、タイドアップしても
絵になる数値を狙っています。



SHAMSといえばヴィンテージミシンによる
驚くほど細かいステッチが特徴ですが、
『LUMI』では生地とのバランスがちぐはぐに
ならないよう少し粗めにステッチをとっています。



これにより適度なカジュアル感を持たせ、
ドレスに振り過ぎないバランスを重視しています。
このあたりは、当店が得意とする『Seamaster』の
デザインと共通するコンセプトとなっています。



また、SHAMSが提唱する統一の美学に基づき、
細かなパーツの数値も統一。
ボタンの規格やフロントの前立てと袖の
”剣ボロ”の幅を同じとするなど、
小気味良いリズムを意識しています。




続いて側面です。


袖。
ぐるりと8つ入れられた袖元のタック。


ヴィンテージウォッチが滑り込む絶妙な袖口。
時計がむき出しになってもダメ、隠れたままでもダメ。
必要な時に最小限の動作で時計を視認できる作りです。



剣ボロの深さは袖まくりをした際のバランスを重視し、
2つ折りでたくし上げると美しく見えるバランスです。




そしてSHAMSの象徴的な機能/意匠といえるのが、
剣ボロに施された『2連グリカン』。



剣ボロは袖まくりなどで負荷がかかりやすく、
ほつれやすい箇所です。
ここを補強するために入れられる力こぶのような
閂(カンヌキ)留めが、”グリカン”です。



現在はシャツがハンドメイド(手縫い)の場合に
手縫いを強調するアイコンの役割が強く、
殆どの場合機能性は重視されていないと言えます。

笹岡氏はヴィンテージウェアを研究する中で
剣ボロの2箇所にグリカンが施されている個体の
存在に着目。
実際に補強として機能する留め方を発見します。

剣ボロの内と外の2箇所にグリカンを施すことで
現行のシャツにはない耐久性を持たせています。



シャツが消耗品として捉えられるようになった
現代では廃れた"グリカン仕様"ですが、
高耐久で傷みにくい(寧ろ味わい深く育つ)生地に
丁寧な縫製を施すことでその仕様が生きてきます。
この力強い”2連グリカン”は笹岡氏が製品の
最終仕上げの儀式としてハンドで施しています。



最後にこのシャツの顔となる、バックスタイルです。



堂々たるバック アンド ショルダー。
緞帳(どんちょう ※舞台の垂れ幕)を意識した
バックラインが強烈なインパクトを放ちます。



また、背中の中央を走る接ぎ(はぎ)は100年前の
ドレスシャツのディティールを採用しています。
シャツが文字通り下着だった頃の意匠を残すことで
過去と現在の連続性を表現しています。



均等に入れられたタックは合計8本。
敢えてギャザーではなく、タックです。
緞帳の華やかなドレープや重厚なイメージを
意識しつつも運動性能を最大限発揮する、
機能的な役割を果たしています。



型紙名の『A CASE OF LUCK(1ケースの幸運を)』
の由来は、この8本のタックと8本×2の袖タック
を合わせた24本(ビール缶ケース)に掛けられています。


裾のカットは直線的なスクエアテールを採用。


通常のシャツ(ラウンド)テールだとタックアウトで
着用した際にどうしてもルーズに見えてしまうため、
SHAMSが追求するスクエアを踏襲しました。




カラーはWhite Kings別注のエクリュ(生成り)。


エクリュは当店のイメージカラーです。
ヴィンテージウォッチとの相性を最大限に生かすのは
この生地であろう、という結論に達しました。



生地は岡山の倉敷で織られる旧織機(しょっき)による
綾織(ツイル)の綿素材を採用。
非常にゆっくりと織られるため、1日に数メートルしか
生産することができません(高速織機は200m/日)。

綿かすもそのまま、まさに”生成り”です。
現代の織機では再現できない低速織機から生み出される
風合い豊かな生地と優しい肌心地は、文字通り
『Living vintage(生きたヴィンテージ)』。



生地は本来鞄などの用途に用いられる
非常に高耐久なものを敢えて採用しています。
ともすれば硬い印象のシャツになってしまうところ、
大胆なタックにより柔らかなシルエットと着心地を
両立させることに成功しました。

モデルの由来となったLUMI(フランス語:輝き)は、
腕時計好きならご存じかと思いますが
文字盤の夜光塗料の呼び名からとっています。
※時計生産地のスイスはフランス語圏



少し物憂げな表情を見せるツイル生地と、
優しく降り注ぐタックの姿は朧月夜のように見えます。
ヴィンテージウォッチの月面のような経年変化にも
似た世界観、使い込むほどに自分のものになる素材。
そして過去から未来を照らす1着となってほしいという
思いから『LUMI』と名付けました。



SHAMSの新たな型紙と当店の要望がマッチし
生まれた『LUMI』は、型紙の名の通りまさに
”幸運”の産物と言えます。

こちらのシャツは完全受注生産となります。
受注会は5/26(日)12:00-19:00
当店フロアにて開催いたします。
受注後、納期は1.5ヶ月ほど頂戴いたします。
※生地の製造期間により若干前後いたします。

当日はSHAMSのアイテムの他、
特別ゲストとしてクラシックアクセサリーと
レザーアイテムを手掛けるLONESOME.(ロンサム)
も出店致します。



昨年開催の「男の隠れ家展」で
大好評頂いたベルトの新作もこのたび
ご注文頂けるようになりました。



トータルでお楽しみ頂けるイベントとして
準備を進めております。

初のコラボアイテム、
是非多くの皆様にお手に取って頂けますと幸いです。

White Kings