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2020/12/28 08:28

おはようございます。

WhiteKings 店主です。

本日で東京店の営業も年内最後となりました。
ネット業務は12月29日までとなります。

中村は、本日が東京店最終出勤となります。
お近くの方はご来店お待ちしております。

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年末ということで、
当店が得意なSeamaster120について
コレクター目線で語ります。




Seamaster120は両回転アルミベゼルを備えた
ダイバーズモデルとして1966年にデビューしました。

Seamaster300 の3rdモデル、デザイン的共通項の多い
スピードマスターと併売された過去を持ちます。

薄く、軽く、そして正確。
ダイビングが趣味として認知された60年代において
扱いやすい当モデルはヒットを飛ばしました。

120はねじ込み竜頭を持たないライトな印象ながら
Seamaster300で培った防水性能を受け継いでいます。

大型パッキンを備えた大径竜頭は水圧がかかるほど
締め付けられる構造で、密着度は秀逸そのもの。
既に防水性が失われた今日の個体であっても、
操作時に竜頭が本体に張り付いているかのような
強い抵抗を感じることができます。




2サイズ展開されたうちボーイズサイズは
フルサイズと同等の防水機構を備え、
外装も一切の手抜きなく仕上げられていました。




ところで、このSeamaster120のバリエーション
いくつあるかご存じでしょうか。
※ここでいう120とは、所謂ファーストデザインです。

サイズの違い、機械の違い、色の違い、針の違い、
デイトの色の違いなどを含めると、
店主が知るだけで40種類以上あります。

結構衝撃的な数字ではないでしょうか。
”フルサイズの黒”の括りでも10種類以上ありますから
『全貌を掴むのが困難』と言われるだけはあります。

Seamaster120は中東で軍支給されたようですので
それらを含めればさらに数は増えるでしょう。

単一モデルでここまでのバリエーションは
ダイバーズでは圧倒的。恐ろしい兄弟の数です。


『珍しい○○仕様』
が後年の創作なのか、当時のものなのかは
実際に研究し尽くさないと分かりません。
この組み合わせにはこの仕様がない・
この仕様にだけこの組み合わせがある
など、知れば知るほど奥深いのが120の世界です。



簡単な例だと、
フルサイズには手巻きのデイトモデルがあるのに
ボーイズサイズには手巻きデイトモデルがありません。

理由は簡単で、ボーイズに搭載される女性用ムーブには
手巻きデイトという仕様自体存在しなかったゆえ、
ボーイズサイズでこの仕様が用意できなかったのです。



更に、OMEGAは頻繁に文字盤のサプライヤー(供給元)
を変えていたようで、製造年数やロットによって
インデックスの仕上げが微妙に異なり、
エイジングの出方にも差異が見られます。

細かく見れば見るほど
『いったいこのモデルは何なのか?』
と混乱します。
このモデルの解明だけでも相当な時間と
労力を費やしてきましたが
当店はそれだけ120に入れ込んでいます。

膨大な兄弟たちの中から自分だけの相棒を見つける。
そんな楽しみ方ができるダイバーズは
そう多くないでしょう。



当店、年末年始に向けて?
何故かボーイズサイズが随分と充実しています。



1本1本、表情が大きく違う個体を揃えました。
ハードな印象の個体から、柔らかい表情まで
好みの120をお選び頂けます。

まだ公式サイトに出ていない
個体も数本御座います。

東京店に御座いますので本日お時間ある方は
中村に声をかけてみてください。

本日も宜しくお願い致します。

WhiteKings