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2020/03/11 02:53

こんばんは。

WhiteKings(ホワイトキングス) 店主です。


時計に興味を持ち調べ始めると、”カラーダイヤル”という言葉を耳にすることが多くなります。


文字盤=ダイヤルをカラフルな色彩で表現した時計をこのように呼びます。

2000年代に古いヴィンテージのドレスウォッチ(特にOMEGA)のダイヤルをカラフルに描き変えた”リダン”が流行し、この呼び名が定着したとされます。


そのため、カラーダイヤル=リダン つまりカラーダイヤルはオリジナルではないという認識が広まりました。

(現存するOMEGAヴィンテージウォッチの黒文字盤=ブラックダイヤルも大多数がリダンと言われています:過去記事参照)


しかしごく僅かではありますがヴィンテージウォッチに”本物の”カラーダイヤルが存在したのも事実です。

ゆえにカラーダイヤル=リダンと線引きするのは早計です。


ただこのカラーダイヤルを研究している愛好家は少なく、またリダン品の多さゆえ常に”掴まされる”リスクと覚悟を持って収集に当たらなければならない危険なジャンルと言えます。


特定のモデルをひたすら掘り下げ本物のカラーダイヤルの販売背景を突き詰めるには、何度も何度も購入し・眺め続ける一種の狂気じみた熱意と執念が必要です。


店主が熱意(と狂気?)をもって長年研究を進めているSeamaster120も、販売当時カラーダイヤルが存在した稀有な時計の一つです。





60年代はダイバーズウォッチはまだ特殊時計としての意味合いが強いジャンルでした。

カラーバリエーションを展開すること自体珍しいといえます。

60年代後半に一般向けのダイバーズウォッチとして登場した120だからこそ、遊び心とファッション性を兼ね備えたモデルを展開できたのだと思われます。


Seamaster120は複雑なモデル体系を持ち、バリエーションが非常に豊かです。

それゆえ全貌が掴みづらく、一定のセオリーと年代ごとの整合性を押さえておかないとすぐ”バリエーションと称した悪意ある時計”に引っかかります。店主も手にしてから「しまった!」と後悔した回数は過去1度や2度ではありません。


120のカラーダイヤルもROLEXの模造品で悪名高い”NOOB”が過去にリリースしており、海外の有名時計販売サイトでも堂々と信託保証付きで販売されています。それだけ真贋を判別するには慎重な判断と積み重ねた知識が必要です。





このブルーダイヤルは、当時3カラー(正確には4カラーと言われています)で展開されたうちの1つです。


ダイヤルだけでなく、回転ベゼルもブルーとなっているのが大きな特徴。

当時のOMEGAの回転ベゼルはマット仕様となっており、詳細は省きますがベゼルの染色方法が関係しています。

カラーベゼルは経年で色落ちすることでラメのような輝きを放ち、その美しさはとりわけブルーで顕著です。


深いネイビーのダイヤルも、カラーダイヤルにありがちな軽さがなく絶妙なバランスで成り立っています。



こちらの個体はInstagramで先行公開しております。

気になる方はお問い合わせください。


今後もカラーダイヤルに関する記事を少しずつ掲載してまいります。


WhiteKings 店主